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palmstories あなた

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津村記久子 岡田利規 町田康 又吉直樹 大崎清夏

「あなた」と「きみ」をめぐる
5つの“てのひら”の小説たち

ちいさなハードカバーの単行本でお届けする
掌篇アンソロジー



あなたが私に寄越してくれたさまざまな物が、もしその時に手に入らなかったとしたらと考えると、ちょっと恐ろしいなという気がしてくる。
-津村記久子「六階を見習って」


なんであれば出来事とも呼べないかもしれないくらいのもの、きわめてうっすらとした出来事のようなものからでさえ、忘れがたい印象をふいに得る、ということはきみにももちろん時々起こる。
-岡田利規「一月、生暖かい月曜日の午後のこと」


此の度は機会を与えてくれてありがとう。本当に感謝している。(…)そんな僕がつい、本当に、と書いてしまったのはマジで貴殿に感謝しているからだ。
-町田康「言ひ譯」


あなたは引っ越してきたばかりの街を一人で歩いている。真っ直ぐな道の果てに寺院と思しき白い塀が見える。
-又吉直樹「行列」


茂呂来さん、茂呂来さん、聞こえますか。(…)きっとそちらはいま、おくつろぎタイムですよね。
-大崎清夏「眼鏡のバレリーナのために」

書誌情報

刊行日 2023年8月30日
定価  1800円+税
ISBN  978-4-910976-01-3
A6変形判・上製本 152ページ

著者紹介

津村記久子(つむら・きくこ)

1978年生まれ。小説家。著書に『君は永遠にそいつらより若い』『浮遊霊ブラジル』『やりなおし世界文学』『水車小屋のネネ』などがある。すきな短篇集はケヴィン・ウィルソン『地球の中心までトンネルを掘る』

岡田利規(おかだ・としき)

1973年生まれ。演劇作家・小説家。著書に『三月の5日間』『わたしたちに許された特別な時間の終わり』『ブロッコリー・レボリューション』などがある。すきな短篇小説集はイサク・ディネセン『冬の物語』。

町田康(まちだ・こう)

1962年生まれ。作家・ミュージシャン。著書に『くっすん大黒』『パンク侍、斬られて候』『告白』『宿屋めぐり』『口訳古事記』などがある。すきな短篇集は小山田浩子『小島』。

又吉直樹(またよし・なおき)

1980年生まれ。芸人・作家。著書に『第2図書係補佐』『東京百景』『火花』『劇場』『人間』『月と散文』などがある。すきな短篇小説集は稲垣足穂『一千一秒物語』。

大崎清夏(おおさき・さやか)

1982年生まれ。詩人。著書に『地面』『指差すことができない』『踊る自由』『新しい住みか』『目をあけてごらん、離陸するから』などがある。すきな短篇小説集は魯迅『故事新篇』とJ・D・サリンジャー『ナイン・ストーリーズ』。